ある日突然、夫に死なれてしまってシングルになった妻(私)。
そんな悲劇のまっただ中でも、現実にはやらなきゃいけないコトだらけ。
おちおち泣いているヒマもありません。
まずは葬儀社スタッフとの打ち合わせで、どんな葬儀にするのかを決めないと。
最近は近親者のみでの「家族葬」が多く、そうなると全ての決断は妻に任されるんですよね。
「そんなん急に言われても!!」
と言いたいのを抑えて、私もダンナの葬儀について次から次へと決めまくりました。
何と言っても気になるのは、実際にかかる費用のコト。
そして言葉だけは知っていた『湯灌(ゆかん)』についても、詳しく知ったのは初めてでした。
家族葬の見積もり<わが家の場合>
ダンナの家族葬をお願いすることになったのは、地元ではメジャーで実績もある葬儀社。
死亡確認から検死までお世話になった病院から、葬儀社の車でダンナと一緒に自宅へ戻ると。
前もって大急ぎで片づけておいた和室に、葬儀社のスタッフさん3名で、手際よくドライアイスや枕飾りをセットしてくれました。
その後すぐに、葬儀について細かい打ち合わせと見積もりがスタートです。
見積もりの前にコースを決める
まずは見積もりの前に、基本的なコースを決めるところから。
家族葬は、大体このような3つのコースに分けられます。
- <A>参列者は家族や身内のみだけど、僧侶にも来てもらって読経・焼香などを行う。
- <B>僧侶による読経などはなく、葬儀社スタッフの進行で焼香などを簡単に行う。
- <C>儀式的なものはほとんどせず、家族や身内だけでお別れをして火葬を行う。
そういえば事前にチェックしていた「小さなお葬式」でも、ほぼ同じような内容でした。
ダンナは無宗教で、実家がどこかのお寺の檀家(だんか)でもないので、ここが結構迷いどころ。
ただ、2年前にあったダンナのお父さんの家族葬が<B>コースで、僧侶が来ることもなく家族の焼香だけでして。
個人的には、それがあまりにも簡略化されすぎて淋しい気がしたんですよね~。
それもあって結局、僧侶に読経もしてもらう<A>コースに決めました。
では、実際の見積もりをコッソリお見せしましょう。
見積もりの割引・そのリアルすぎる理由
上の写真が、地元の葬儀社さんに依頼した実際の見積もりです。
基本コース価格300,000円の下に、やたらと「▲」の割引マークがありますよね。
実はこれ、私があまり深く考えずに言ったセリフのせいなんです。
こちらにお願いする前に、いったん『小さなお葬式』さんに決めてたんですよ~。
この発言で、地元の老舗(?)葬儀社スタッフさんの空気が、みるみる変わりました。
「それでは、『小さなお葬式』さんと同等のお値段で、より格上のコースに近いサービスをさせていただきます!!」
と担当責任者っぽい男性スタッフが、声高らかに宣言。
ええ?! 別にそんなつもりじゃなかったんだけど。
まぁ実際、どこまでホントなのかは分かりませんけどね。
それからは、葬儀の内容をあーだこーだ決めていく間にも。
同じコースで『小さなお葬式』さんには付いていない、このサービスを付けさせていただきますので!!
と、何度も何度も「小さなお葬式」を引き合いに出して、念入りにアピールされていました。
地元の老舗メジャー葬儀社からすると、近年めきめき台頭してきた「小さなお葬式」に相当ライバル意識があるようです。
なんか結果的に、ライバル店の名前を出して値引きしてもらう関西のオバチャンみたいになっちゃって…(関西のオバチャンなのは事実)。
えっと、私はそんなつもり全くなかったんですけどね笑。
でも実はうちのダンナ、家電を買う時とか、店員さんがドン引きするぐらい値切るの大好き人間だったので、この件については誉めてくれてると思います♪
よっしゃ、よくやった。
そして、画像ではちょっと文字が見づらいですが。
1番下に書いてある『湯灌(ゆかん)』ってご存じでしょうか。
【湯灌とは】実際にやってみた感想
あまり耳にすることのない『湯灌の儀(ゆかんのぎ)』。
簡単に説明しますと。
- 故人を棺に納める前に、お風呂のようにお湯の中で身体を丁寧に拭いて清めてくれる。
- その時に、髪を整えたりヒゲ剃りや死化粧もして、顔をキレイにしてくれる。
- 着せてあげたい衣類を渡しておけば、その服に着がえさせて身なりを整えてくれる。
- プロの湯灌師(ゆかんし)もいるぐらい、専門的な技術を必要とする仕事。
以前、プロの湯灌師さんを描いたマンガを読んだ時に、初めて「湯灌」の存在を知った私。
そのマンガがなかなかの感動作だったので、湯灌にも良いイメージがあったんですよ。
(マンガのタイトルが全く思い出せないので、誰か教えて下さい~!!)
そんな、納棺前の儀式として行われる『湯灌の儀』。
かかる時間は1~2時間程度で、希望すれば遺族の立ち合いもOKです。
料金の相場は大体5~10万円。
今回も正規の料金は8万円のところ、実質4万円で追加してもらえました。
ご存じの人も多いと思いますが・・・。
病院で亡くなった場合、「エンゼルケア」とも呼ばれる清拭(せいしき)で、ちゃんとキレイにしてくれます。
私自身、かつて母親と祖母の最期に立ち会いましたが、病院で死化粧までしてもらい、当時は「湯灌」という言葉すら知りませんでした。
でも今回のダンナの場合。
救急車で病院に運ばれて、蘇生処置やら検死やら、ダンナ本人にしたら「何すんねん!!」の連続だったはず。
検死の影響で出血もあって、少し汚れたりもしていたので、最後にゆったりお湯に浸からせてやろうかと。
それだけでプラス4万円はもったいないやろ!!と、正直私もそう思います。
基本的に私よりケチ…いや経済観念のあるダンナも。
どうせ火葬されるのに、そんなん要らんやろ~。
と、脳内でツッコんでいる気もしましたが。
湯灌が終わった後、病院の寝巻姿から、私が持って行った本人の服に着替えさせてもらった姿を見たら。
お湯でキレイにしてもらったからか、まるで生きているかのような顔色になっていて。
いつものように、家のソファで寝っ転がってるダンナのように見えてきて。
息子2人と一緒に、最後にダンナの身体をペタペタ触りながら、泣いたり笑ったりできたのは、貴重なお別れの時間でした。
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まとめ
最近では、葬儀の主流になってきたとも言える「家族葬」。
簡略化して火葬だけするというコースから、昔ながらに僧侶を招いて読経をしてもらうコース。
悲しんでいるヒマもなく、見積もりと相談しながらその内容を決めるのは、残された家族です。
わが家の場合は、たまたま意外な理由で葬儀社さんが、かなり割り引いてくれることに。
そしてその分『湯灌の儀』を追加して、「湯灌」について知れたのも良い経験でした。
単なる私の自己満足かも知れませんが…。
ダンナもどこかで「OKOK~」と納得してくれているとイイんですけどね。
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