『法定相続情報証明制度』について、詳しく知ってま~す♪
なんて言える人、世間にはどれぐらいいるんでしょう。
この早口言葉のような制度を私が初めて知ったのは、亡くなったダンナの相続手続きで取引銀行に行ったとき。
この制度を使うと、戸籍を何度も取りに行く手間が省けますよ。
と、窓口のお兄さんにパンフレットを手渡された私。
なんかよく分からんけど、手続きがラクになるなら試しにやってみるか。
ということで、今回の記事は。
このややこしそうな制度の手続きを、実際に「やってみた」体験レポートでございます。
どんな感じで申請手続きをして、どんなメリットがあるのか(デメリットは?)。
あまり難しすぎない程度に、『法定相続情報証明制度』を知っておくチャンスですよ♪
法定相続情報証明制度とは何ぞや?
こんな漢字だらけの表記、見ただけで頭が痛くなってきますよね。
2017年からスタートした、この『法定相続情報証明制度』。
銀行のお兄さんが教えてくれたように、相続の手続きをラクチンにしてくれる制度なんです。
誰かが亡くなった時に遺族がやらなきゃいけない、相続のための手続き。
その際に必要になってくるのが、亡くなった人「被相続人」と「相続人」全員分の戸籍謄本のセット。
これって、口座のある銀行や所有する不動産などの、手続きそれぞれに提出しなきゃいけないんですよ。
それが、この制度では。
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このように、1回だけガンバって戸籍を集めて証明をもらえば、その後の手続きがラクチンに。
『法定相続情報一覧図』のコピーは、法務局で何枚でも無料で発行してもらえるので、お財布にもやさしい制度と言えます。
ただし、相続人が多い場合や相続関係が複雑なケースなどは、素人では戸籍集めが難しいかも。
家族を亡くして気持ちも追いつかないような状況で、精神的にも時間的にも余裕なんてない。
そんな時は、司法書士さんなどに代理申請をお願いする方がいいかも知れませんね。
リアル申請手続きをやってみた
わが家の場合、亡くなったダンナの相続人は私と2人の息子たちだけ。
さらに息子2人は未成年のため、私が「代表相続人」となって単独で手続きできるらしい(あんまり分かってない)。
相続関係がいたってシンプルなので、自分で申請チャレンジすることにしました。
戸籍謄本を集めるのが超タイヘン
まず集めなきゃいけないのが、ダンナ<被相続人>の生まれてから死亡までの戸籍謄本。
ここで大きなネックになるのが、戸籍謄本は【本籍地のお役所】に発行してもらわなきゃいけないという点。
- 調べてみると、ダンナが20歳ぐらいまでは義両親の実家(九州)が本籍地だったので、九州の某市役所まで郵送で戸籍謄本をお取り寄せ。
- さらに、結婚当初に住んでいたアパートの住所にも本籍を移しちゃってたらしく(記憶にない)、そちらの市役所にも出向いてゲット。
と、こんな感じだったので。
本籍地が何度か変わっている人は、この作業だけでもかなりの時間と労力をうばわれます。
こんな面倒なコトは、できれば1度だけで終わらせたい。
たまたまダンナの場合は、この制度を利用した方が絶対にメリット大!!と言えるケースでしたね。
銀行のお兄さん、教えてくれてありがとう~♪
今回の教訓。
本籍は・コロコロ変える・もんじゃない。<五七五>
ここでおまけ情報です~。
そして戸籍謄本セット以外にも、用意する書類はあるのですが。
- ダンナ<被相続人>の住民票の除票
- 私と息子2人<相続人>の現在の戸籍謄本
こちらは現住所(本籍地)の市役所で発行してもらえる書類なので、大した手間もかからず。
あとは、申出人<代表で申請する人=私>の運転免許証のコピーぐらいでした。
やっと必要書類が全部そろったー!!ということで。
次は申請するための「申出書」と「法定相続情報一覧図」を作成しますよ~。
申出書と一覧図の作成は結構カンタン
申出書と一覧図の用紙は、法務局のホームページからダウンロードできます。
申出書は、こんな感じ。
正式名称は「法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出書」(長っ!!)。
でも記入するのは、住所・氏名や一覧図のコピーの必要枚数など、簡単な内容だけでした。
ちなみに申出書はWordファイル形式で、内容を入力してから印刷することもできます~。
お次は、一覧図。
法務局のホームページには、様々な相続パターンのテンプレート(ひな形)が用意されています。
うちの場合は、母子3人だけなので超シンプル。
一覧図の方はExcelファイルで、黄色のエリアに住所や氏名などを入力します。
それを印刷して作成者の欄にハンコを押せば、一覧図のできあがり。
あとは全ての書類を法務局に提出すれば、申請完了です。
戸籍集めの大変さに比べると、申出書と一覧図の作成はかなりスムーズでした。
とはいえ、パソコンの操作に慣れていない人には、ちょっと面倒かも知れません。
一覧図は手書きで作成してもOKですが、間違ったときの修正などを考えると、パソコンでの作成がおすすめ。
「自分では無理!!」という場合は、パソコンを使える身内や知り合いにお願いしてみましょう♪
法定相続情報一覧図の誤字は許されない!!
申出書と一覧図の作成はカンタン♪なんて言っちゃいましたが。
実はいったん申請した後に、法務局から電話がかかってきました。
一覧図の住所表記に誤りがありますので、訂正して再提出して下さい。
…な、なんですと?
いやいやめっちゃ確認したし。そんなワケないし!!
と思いつつ、話を聞いてみると。
- 間違いその1、住所の「~丁目」を、数字ではなく漢数字で書かなきゃいけない。
- 間違いその2、地域名の「~ヶ丘」の「ヶ」が、小さい「ヶ」ではなく大きい「ケ」。
…細かいな~もう。
漢数字は百歩ゆずるとして、「ヶ」と「ケ」って…!!
手書きなら、書く人のサジ加減ちゃうん~。
心の中で文句を言いながら、法務局まで書類を取りに行き、差し戻された書類一式を再提出するはめに(泣)。
一覧図に住所・氏名を入力する際は「戸籍の記載どおり」100%忠実に!!と、思い知らされました。
自分で「法定相続情報一覧図」を作って申請するなら、こんなミスにも要注意ですよ♪
この制度を利用する最大のメリット
これが、申請して法務局から発行してもらった「法定相続情報一覧図(のコピー)」。
銀行の預貯金や不動産の相続、相続税の申告など、使える用途はさまざまです。
そして最大のメリットは、色んな手続きをいくつも同時に進められること。
たとえば銀行口座や不動産があちこちにあって、何件も相続の手続きが必要なケース。
「一覧図」の発行は無料なので、多めにもらって複数の手続きを同時進行することができます。
私も多めに見積もって10部発行してもらいました~(めっちゃ余ったけど)。
反対に、1件ずつのんびり手続きするつもりなら、この制度を利用するメリットは特にないかも知れません。
戸籍謄本は手続きが完了すると返却されることが多いので、返ってきた戸籍謄本で次の手続きをすればOKですからね。
ダンナの場合、仕事の関係で口座をいくつも作っていたので、この制度にはもってこいでした。
口座あちこちに作ってたからな~。
いやホント、この制度があって良かったよ。
ということで、今回の結論は。
メリットが・ある人ならば・デメリットなし。<字あまり>
「相続手続きをいくつも同時に進められる」というメリットがある人にとっては、デメリットはないと言えそうです。
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まとめ
相続の手続きでよく耳にする、戸籍を何回も取りに行くのがタイヘン問題。
銀行で窓口のお兄さんが教えてくれた『法定相続情報証明制度』は、その大変さを軽減してくれる制度です。
亡くなったダンナの相続手続きのために、実際にこの制度を利用してみた私ですが。
遠方の市役所から戸籍を郵送でお取り寄せしたりと、かなり労力の要る作業が「1度だけ」で済んでラッキーでした。
相続の手続きが何件もあって、なるべく早く終わらせたいなら、利用するメリットは十分あり。
私も今後、周りの誰かがこういった立場になったときは、この早口言葉のような制度を教えてあげようと思います。
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